業績好調のサイゼリヤ

こんにちわ。北見尚之です。

イタリアンファミリーレストランチェーン、サイゼリヤが国内既存店の売上高は13ヶ月連続で前年同月比プラスと業績が好調です。
新規出店で売り上げが伸びているだけでなく、既存店の底上げもうまくいっている。

サイゼリヤの最大の特徴といえば圧倒的な安さでしょう。同じ業態のガストでは顧客単価が約850円なのに対してサイゼリヤは726円で大手ファミレスの中でも断然の安さとなっている。
この低価格には理由があった。サイゼリヤの1号店を千葉県市川市でオープンした当時、目につきにくい立地だったため集客に苦戦した。
そこでメニューの価格を半額にしてみたが、それでも顧客が来なかったのでさらに7割引にしてみた。すると大行列ができるほどの繁盛店となり1日に20人しか来なかった店に、
800人も来るようになった。1つの店ではさばき切れず周囲に店舗を増やして多店舗化に成功した。

同会長は「おいしいから売れるのではなく売れているのがおいしい料理だ」の中で、売り上げを伸ばすのに最優先で考えるべきは「立地」であると述べている。
同じメニューを出していても、立地次第で売り上げが変わるのは当たり前。だとすれば現在の好調要因としてまず考えられるのは立地戦略です。
サイゼリヤが直近で出店している立地を見てみると、駅前や駅前のショッピングセンター、商業施設に多いことが分かる。
一方では、ここ1年程の間に閉店した店は駅から少し離れた場所にある店や郊外型店舗が多い。郊外型の不採算店をどんどん閉める一方で、アクセスの良い駅前やショッピングセンターへ新店舗をオープンしている。

サイゼリヤではイタリア直輸入のグラスワインを1杯100円という缶ジュース並の価格で提供している。
500円で頼めるサラダ・スープ付きランチや、299円のミラノ風ドリア、399円のマルゲリータピザといった定番の人気メニューにワインを追加する顧客が増えている。
サイゼリヤでのちょい飲みが好調なのは、299円、399円のおつまみになるメニューの充実と100円ワインといった低価格の魅力ばかりではなくクルマで行く必要がなくお酒が飲みやすい場所に店を戦略的に移していることが要因です。
今春から、イタリアでは定番の「セミフレッド」というデザートが投入されイタリアからの直輸入品でティラミス、メリンガータ、アマレーナの3種で199円となっている。
サイゼリヤでは要所にイタリアから直輸入した同チェーンならではの食材を配して、こだわりを持つ専門店であることをアピールしている。

サイゼリヤがこの価格で商品を提供できるのには1000店舗を超えるスケールメリットがあり自社で食材の生産を手掛けている。
特質すべきは自社農場で種から開発していてレストラン用に1玉から5-7皿取れる大玉レタスを品種改良して生産している。
海外では牛100%のハンバーグや、ミラノ風ドリアの味の決め手となるホワイトソースのために、牛肉・牛乳の大国オーストラリアに工場を持ち低価格を実現している。
サイゼリヤが目指すのは栽培・収穫から生産加工、調理まで一貫して行う製造直販業である。アパレル業界ではユニクロが製造直販で大きな成功を収めた。
儲けを生み出す立地の創造、商品の開発にこのまま持続的に取り組めば、外食界のユニクロのような独特な地位を保ち続けられるはずだ。
また、EUが経済連携協定に大枠合意したことで、欧州産のチーズやワインをより安く輸入できるようになり追い風となりさらなる躍進が期待できそうです。

サイゼリヤの500円ランチにミラノ風ドリアで満腹ランチや、いろんなつまみを注文してワインをたらふく飲む夜など私にとっても大満足のお店です。

北見尚之