コウモリが集団でもぶつからない理由

こんにちわ。北見尚之です。

洞窟などで生活しているコウモリはご存知の方も多いと思いますが超音波を発して周囲の状況を把握しながら飛んでいます。
超音波でも密集している状態だと電波が複層して混乱しまいそうだが、互いに周波数を調節し声色を変えて仲間同士の衝突を防いでいるようです。
それは工場など多くのロボットなどが協調して動く仕組の開発に役立つとも言われています。

コウモリは夜行性で視覚は退化していますが、その代わりに声帯を震わせ喉から超音波を出すことができます。
喉から発した超音波が障害物にぶつかり、はね返ってくる反響音を耳で聞き取り自分との位置関係や大きさまた、動く速さなどを瞬時に把握しています。
暗く見通しが悪い夜間や狭い洞窟内でも物にぶつからず飛びまわり、また餌となる数ミリの小さな虫を捕まえることができまるでレーダーのように機能しています。

ただし、集団の際はそれぞれの個体が超音波を出して、群れの中はさまざまな超音波と反響音が混在することになります。
それはまるで大勢の人が同時に会話をして、目の前の会話相手の声すらよく聞こえないパーティー会場のように騒々しい状況に近いです。
それでも、コウモリは仲間同士で衝突することなく上手に餌を捕食しています。

自分が出した超音波の反響音をきちんと聞き分けているようだが、コウモリの超音波を1匹ずつ調べるのは困難であったが、研究チームが発足されこの謎に挑むことになった。
方法は、超音波を記録できる超小型録音機を開発しこれを日本に多く分布する約30センチ、体重約14グラムのユビナガコウモリに装着して実験を実施しました。
屋内で集団で飛ばす場合と、単独で飛ばす場合のそれぞれの超音波を記録して分析。

結果は集団で飛行した場合の超音波の周波数の幅と、単独で飛ぶ際の周波数では2倍近くに広くなっていた。
それはそれぞれの声が類似しないように声を変えているのと同じで反響音を聞き分けている。
こうして互いに複層を防ぎ、集団で飛んでいても自分の位置を正しく認識し周囲の状況を把握する能力を保ったまま混信を避けられるというシンプルだが効率的な方法である。

混信を避ける超音波センサーの開発などに応用できるのではないかとみており、研究者はほんのわずか周波数を変えるだけの単純な方法で実に効率的に問題を解決していて、
将来的には、多数のロボットが自律的に協調して動く仕組みなどにも役立ちそうとしている。

コウモリってあんなに小さい体で周波数出すというシンプルな仕組みの中に工夫があって、生物の神秘って凄いなって改めて痛感しますね。

北見尚之