ロングラン駄菓子「5円チョコ」

こんにちわ。北見尚之です。

1984年に登場して5円玉1枚で買えるお菓子として駄菓子屋などで人気を集め幼少期に私も駄菓子屋でよく購入していた「5円チョコ」ことごえんがあるよ。
そんな5円チョコ、実は1個5円の単品売りがされていたのは2007年までで今は100円のパックなどでまとめて販売されています。

販売当時から子供の味方として愛されてきた5円チョコ」には、「どうして5円で売り続けられるのか、なんでお金の形なの、パッケージのキャラクターは何なのか」など、
ナゾが多く取材記事が世に出ることもなくその答えはベールに包まれていました。

しかし発売から34年がたち、取締役会長の対談でついに明らかになりました。販売元はチロルチョコ株式会社ですがあの「チロルチョコ」だということを知らない人も多いと思います。
そもそもなぜ5円のチョコレートを作ろうと思ったのか、発案は先代(2代目元社長)で当時10円のチロルチョコがヒットしていたそうです。
そこで次の新製品を考えたときにさらに安いチョコを作ろうと思ったそうです。発想は単純で10円が売れたから5円も売れるだろうって考えだったそうです。

5円で出すことには、チロルチョコを10円で売るノウハウで、5円チョコに関してはそこまで苦労はなく、単純にチョコのグラムでやれると思い発売に踏み切ったそうです。
ただ、当時から利益はそこまでなく、今はほとんど採算割れのような商品となっている。当時もかなり原価は高く売れたらそこで初めて原価を合わせようという考え方だった。
原価には「食材」「包装費」「製造加工費」の3つの要素があり、この中では「製造加工費」の影響がいちばん大きくなる。
チロルチョコは製造加工費を抑えられているから採算が取れ、製造加工費を低くするため、設備投資をし徹底的に省力化して大量生産をしている。
その数は年間6-7億個にもおよびこれが数百万個だったら採算は合わなくなる。
ただ、5円チョコはそこまで大量生産していなく、ずっと利益が出ない状況であった。そこでチロルチョコと売上を比較すると1%もないという。
となるとあってもなくても良い商品となるが、昔から引き継いでいる商品だから愛着はあるそうです。

なぜお金の形のチョコかは先代が考えでストレートに形で「5円」という価格を分かりやすく伝えるためらしい。
「ごえんがあるよ」というネーミングもまんまの発想だという。袋に書かれているキャラクターは当時から付き合いのある大手印刷会社のデザイン部門の方が考えたようです。

袋の内側に書かれていた「面白占い」は印刷会社から裏印刷ができると言われでは何かやろうかっていう考えだったという。
「ごえんがあるよ」もバリエーション展開を試みたがことごとく売れずに消えていった中で、七夕限定商品は今でもあり「ごえんがあるよ」という名前を七夕の「縁結び」にかけています。
そういう新商品のアイデアは、今では社内の企画部門が考えているそうだが、2-3年前までは会長自らが考えていたそうです。

今後についてはまだ分からず、来年にはやめてるかもしれないという。
いざやめるとなったら駄菓子の「梅ジャム」の終了のときのようにファンから販売継続の声がたくさん集まったように5円チョコもそういう声が多く上がるのでは、
と会長に投げかけるとだったらもうちょっと売れてていいと思うと一言。
何年かに一度ファンレターも届くようで、一番嬉しいのは「食べて幸せな気持ちになりました」っていう。

ブランド調査すると「古臭い」や「駄菓子っぽい」というイメージを持っている人が多いが、
チロルはデザインも駄菓子的な要素をなくして、大人の鑑賞に耐えられるものにしているので、そのようなイメージはない。

そして5円チョコの新商品で「メガごえん」が発売されました。約300個のチョコが1パッケージに入っていますが、会長はずっとやりたかったという。
この「メガごえん」生産性はいいらしく、製造加工費がずいぶん抑えられる、それでも儲かるような商売じゃなく楽しさを伝えることがメインで、これで儲けようなんて思ってないという。
ではチロルチョコ株式会社にとって「ごえんがあるよ」はどんな存在かというと 「盲腸」みたいなもだそうで、あってもなくても良いんだけど、ないと寂しい存在だという。

この対談内容を見て5円チョコについて考えていると、何だか久しぶりに駄菓子屋に行きたくなってきました。

北見尚之