年金の特例

こんにちわ。北見尚之です。

年金制度には20歳から加入義務となっているが学生時代は納付が猶予される学生納付特例というものがあります。
手続きをしておけば障害年金の支給対象になるが、猶予期間の分はさかのぼって納付しないと老後の年金額増加にはつながりません。

学生納付特例は国民年金の保険料納付が猶予される特例で年金の加入義務が生じる20歳以上で大学、短大、高校、専門学校など各種学校などの学生が対象とまります。
同居の親に所得があっても、本人の所得が一定以下なら保険料の納付が猶予されその間は年金の加入期間として扱われます。

平成26年の実態調査によると、学生納付特例を利用するのは学生全体の66%となり納付特例を利用せずに保険料を納めている学生は22%となっています。
納付者の中には本人に代わり、親が納めるケースもあるようです。一方では手続き忘れのまま未納になってしまうケースもありその場合は、障害基礎年金などの対象から外れてしまいます。

ただし、学生納付特例の手続きをしても老後に受け取る年金額は増えません。
将来の年金額を増やすには猶予から10年以内に保険料をさかのぼって納める必要がありますが、追納をした方がいいかどうか意見が分かれます。
では、追納する保険料と受け取る年金額は実際にはどのくらいになりそうなのか。

社会保険労務士によると現状では、保険料を追納すると老後に年金を10年程度受け取れば釣り合う感じだそうです。
大学を今年に卒業する人の場合の追納分は28年度分が月あたり16,260円で29年度分が16,490円となり仮に2年分だと約39万円になります。
それに対し老後の年金は、65歳の標準受給年齢で受け取った場合は現在の年金額で年で39,000円程度増える計算となりますが、年金の実質価値は今後抑制されることに注意は必要です。

統計によると平成27年に20歳だった男性の平均寿命の推移は81歳で女性の寿命の推移は87歳となり、年金を仮に標準受給年齢の65歳から受け取るとすると、男性は16年で女性は22年受け取れる計算になります。

学生納付特例とは別に低所得で保険料が納められない場合は、保険料が「免除」される制度があります。
本人だけでなく配偶者や世帯主の所得も低いことが要件になります。該当となり手続きをすれば、年金保険料の納付が免除されるだけでなく年金に投入されている国庫負担分が老後の年金額に反映されます。
免除などの手続きをせず、未納にしてしまった年金保険料は通常は2年までしかさかのぼって納められませんが、今年9月までは5年前までさかのぼって納められる特例があります。

年金の受給には一定の加入期間が必要ですが、さかのぼって納付すれば受給資格が得られるケースも多いそうなので一度自分の加入状況などを確認するのはいいかと思います。

北見尚之