スマホに「1TB」のストレージは必要なのか?!

こんにちわ。北見尚之です。

スマートフォンの高性能化やコンテンツの高画質化、また多様化などに伴い、最近では大容量ストレージ「1TB」というワードを目にする機会が増えてきています。

そもそも1TBはどれくらいの容量なのかというと、1TBは約1000GBで、目安としては1枚1MBのドキュメントファイルが約100万枚、
フルHD解像度の動画ファイルが約166時間、1枚4MBのJPEGファイルが約25万枚、1曲5MBのMP3ファイルが約20万曲入ることになります。

1TBは最近では主流の128GBのスマホ8台分に相当になり、こうした大容量のファイルを機種変更する際にはかなり面倒になります。
1ファイルあたりの容量がそれほど大きくなくても、膨大な数になるほど、その分だけの移行時間がかかり、
その膨大なデータが破損した際、復旧できるかどうか分からないし、仮にできたとしても時間と手間がかかるはずです。

1TBの容量を持つスマホはもちろん高価になり、現状ではどの機種も20万円超えます。
キャリアでは端末購入補助プログラムやキャッシュバックキャンペーンなどを適用することで、実質半額程度に抑えられますがそれでも高額です。

また、保存しておきたいファイルをGoogleドライブやOneDriveなどのクラウドストレージへアップロードすれば、
いわゆるローカルストレージを増やさずに済むので、1TBのスマホも不要となります。
ただし、クラウドストレージサービスは継続利用する際に月額料金を払い続ける必要がある場合もあります。

クラウドストレージの他にも外部メモリやSSDの活用すれば、それほど大容量を必要とせず、クラウドmicroSDなどを活用し、
大容量スマホに投資したくないと思うなら1TBもの大容量スマホは間違いなくいらなくなります。

では、どんな人なら1TBのスマホが必要、あるいは買って満足できるのかとなると、まずは、スマホのデータを毎回、過去の機種を含めて移行している人です。
機種変更でデータを移行する度に過去のデータが蓄積され、256GBのスマホを使っていた人が容量いっぱいのデータを同じ256GBのスマホに移すと、
それだけでストレージがいっぱいになります。
その際、移行するデータを選んだり、不要なデータを削除したりするのが面倒な人なら、1TBのスマホを選ぶメリットはあります。

ネットワークに左右されず、スマホからすぐにファイルへアクセスしたい人にとっても大容量スマホは向きます。
クラウドストレージへのアクセスはネットワーク環境が必須となるので、何らかの理由で安定したネットワーク環境を確保できなければ、
クラウドストレージへのアップはあまり意味をなさなくなります。

また、頻繁な抜き差しによる接触不良を起こし、変換アダプターやmicroSDなどが使えなくなるケースや、紛失する可能性も十分にあり得るため、
それを避けたい人にとっても、1TBのスマホが向くでしょう。

ストリーミングサービスで配信されていない楽曲や動画など、数多くのデータをローカルに保存し、常に視聴できるようにしておきたい、
という人にとっても大容量ストレージは適しています。

現在、64GBのストレージ容量では正直、使うにあたって工夫が必要だと感じるときがあります。
64GBのストレージのスマートフォンでも「操作に支障が出るほど厳しい」というわけではないが、使い方に工夫が必要になります。
工夫をしたところで、今は何とかなっても、数年後にはアプリの容量そのものが増えて64GBでは厳しくなってくるでしょう。

容量不足となる背景としては、写真や動画の画質向上、アプリコンテンツのリッチ化が挙げられます。
アップデートが続くゲームアプリやクロスプラットフォームの超大作なら、アプリ1本で20GBなんてコンテンツも多く出てくるはずです。

SNSアプリでも多機能化、ポータル化が進んでいて利用していけばキャッシュなどもたまって、
知らないうちに4~5GBクラスの容量となるのも数年後では当たり前になります。

スマートフォンのストレージ容量は、自分が思っているものよりもワンランク上あたりを選んでおく方が長く安心して使える。
スマートフォンを快適に、安心して使える最低ラインが現在では128GBの容量になります。

それらを踏まえると、1TBのスマホは大量のデータをローカル保存できる反面、それに比例するように高価すぎます。
一方で使い方や考え方、先々を見据えると大容量スマホが必要になる、あるいは買って満足するケースもあるはずです。
結論は自分がどういったデータをどのように扱うのか確認し、お財布に余裕があれば1TBスマホを検討してもいいかもしれません。

北見尚之