もやし生産者が窮地。

こんにちわ。北見尚之です。

11月7日の日経新聞朝刊に掲載された、
「もやし生産者の窮状をご理解ください」というタイトルの全面広告が反響を呼んでいるようです。

広告は11月11日「もやしの日」を前に出稿し販売価格が下落する一方で、
原料種子をはじめさまざまな生産コストは上昇する、苦しい実情が示されています。

広告は、ここ30年でもやしの全国平均価格が2割以上下落する一方で、
原料種子価格は3倍以上にもなり、
最低賃金は1.7倍となるなどさまざまなコストが上昇する現状をグラフデータで提示しています。
もやし生産者は8割減少し、今もなお減り続ける実情をしては、
安さばかりを追求していては、もう続けていけない状況と訴えています。

この広告は「いろいろ考えさせられる内容」と、あるツイートで紹介されたことで広く拡散し、
「無理せず適正価格にしてほしい」「39円で高いと思ってごめんなさい」など、同情的な声が上がりました。
なかには、「どうしてコストの上昇分を価格に転嫁できないのか」や、
「心に迫る内容だが消費者としてはどうすればいいのか」といった声もあります。

工業組合もやし生産者協会の事務局によると、生産者が減り続ける現状については、
経営状況の悪化による自主廃業や倒産が主な理由で、
業者によっては後継者の不在も影響しているようです。

小売販売価格が上がらない要因などは、小売店に対する生産者の立場の弱さがあり、
値上げを受け入れてくれなければ納入しないと言っても、
「では他から買う」と言われ値段の交渉が難しいのだそうです。

もやしは計画生産が可能で、豊作・不作による相場の変動がないため、
売店の価格競争に用いられやすいといった事情もあり、野菜売場ではもやしが一番購入点数が多く、
安売りすれば「この店は安い」というイメージを作りやすいため、
スーパーなども薄利で売っているが実情のようです。

この現状に対し、一般消費者にできることは、「よくこんなに安く売ってる」、
「現状の安い価格が異常」と思い、5円10円値段が上がっても買い続けるという心構えが必要何かもしれません。

この広告の反響は大きかった様子で、事務局には一般消費者から電話や問い合わせフォーム経由の連絡があり、
マスコミからの取材申し入れも相次いでいるようで、今後この流れで業界に兆しが出来るといいですね。

このところの値上げラッシュで、またかとうんざりするところはありますが、
適正な価格で販売されてなくて、廃業となり私たちが買えなくなってしまっては本末転倒です。
そこの意識はきちんと持たないといけませんよね。

北見尚之