いよいよ始まるインボイス制度。

こんにちわ。北見尚之です。

2023年10月からスタートする「インボイス制度」ですが、
これまで消費税を免除されていた免税事業者は、まだ対応を迷っている人も多いでしょう。

年商1000万円以下の免税事業者は、消費税の納税を免除されていいますが、
インボイス制度スタート以降は、「免税を維持する」か「インボイスを発行事業者になって消費税を納める」の2択になります。

消費税は原則として、顧客から預かった分と、自分で払った分の差額(売上税額-仕入税額)を納税します。
ですがこれまでは、誰が誰にいくら払ったのか、あいまいだったので、
インボイス制度は、消費税を、誰から/誰が、いくら受け取った/払ったのかを明確にすることによって、
国が消費税の取りっぱぐれがないようにすることが目的です。
インボイス制度の導入によって国は、約2500億円程度の税収増を見込んでいます。

制度スタート後は、請求書・領収書に、各事業者の「インボイス番号」や税額などが明記されます。
インボイス形式でない請求書・領収書の消費税は、売上税額から差し引くことができなくなります。

免税事業者がインボイス発行事業者になると、新たに消費税を支払うことになり税負担が増えます。
一方で、取引先は引き続き消費税額控除ができるため、今までと変わらず取引先の税負担は増えません。

免税事業者を続ける場合は、自分の消費税負担や事務負担は増えませんが、
取引先の税負担が増え、取引先にとっては実質値上げになります。
ただ、付加価値が高い仕事、どうしてもその人にやってほしい仕事をしている場合は、
実質値上げになっても発注は続くと思われ税事業者のままで良いと思います。

一方で、価格競争が激しい事業で、取引先が免税事業者とインボイス発行事業者どちらにでも頼める場合は、
同じ値段ならインボイス事業者に発注するほうが得になりますから、免税事業者は仕事が減る可能性もあります。

発注者側からの、取引停止や値下げなどの過度な対応は下請法に抵触しますし、
取引先が免税事業者よりインボイス事業者がいいと思ってても、制度が始まってすぐに動くことはないと思われます。
これまでの信頼関係もありますし、取引先としても、慣れた相手のほうがやりやすいはず。
免税事業者はまず、取引先の様子を見て、免税のままで売り上げに影響がないかを見極めた上で、対応を決めるでもいいかもしれません。

10月1日以降も、インボイス発行事業者申請はで、23年内は様子を見て、24年1月からインボイス事業者になるということもできます。
インボイス発行事業者になった後でも、取り消すことはでき、制度スタート前までなら取り下げる旨の書類を税務署に出せば取り下げられます。
10月1日以降は、所定の書類を税務署に提出することで、翌課税期間から(個人事業主なら翌年の1~12月)登録を取りやめることができます。

また、企業によっては取引先には当面、インボイス対応を求めないと表明しているところもあります。
インボイス制度スタート後3年間は、免税事業者からの仕入税額相当額の80%を控除できる「2割特例」という緩和措置があります。
つまり、本来の2割(消費税10%のうち2%)の税負担で済むわけです。

発注側も、2割ぐらいは誤差だと思っているところがありますし、免税事業者は発注が減らなければ、当面3年間は影響がないでしょう。
ただその後の3年間は、控除の割合が80%から50%に下がり、6年後にはゼロになる予定です。

インボイス発行事業者になった場合の消費税の課税方法は、「本則課税」「簡易課税」「2割特例」の3種類から選べます。
事業者は、最もトクになる税率を選びたいところですが、計算が簡単かつ多くの業種でトクになるのは「2割特例」になります。

本則課税は、預かった消費税と支払った消費税の差額を納税します。
売上税額から、仕入れにかかった消費税(インボイス記載分)を、一つ一つ合算して差し引く計算が必要になります。

簡易課税は、年商5000万円以下の事業者が選べる制度で、売上高の50~90%を「みなし仕入率」として消費税額を計算します。
仕入にかかった消費税を一つ一つ計算しなくて良いので、本則課税より計算が格段に楽になりますが、
実際の仕入れ額がみなし仕入率より大きい場合は納税額が本則課税より増えます。

最後に、「2割特例」は免税事業者が課税事業者になった場合に限り、消費税額を売上税額の2割にできる(仕入税額80%と同等)制度です。
売り上げに対して仕入が80%を下回る場合は、これを選ぶのが最もトクで、
インボイス導入時の「激変緩和措置」として作られたもので26年9月30日までの3年限定です。

結局は3種類の中からどれを選ぶのがよいのか?
例えばライター業の場合は、簡易課税の税率は50%で、仕入率が80%を超えることはあまりないと思われますので、
「2割特例」を利用するのが最も有利になるでしょう。
売上高が300万円ならその10%の30万円が消費税額。その20%の6万円が納税額です。
簡易課税を選んでしまうと、10%の30万円が消費税額。その50%の15万円が納税額と、2割特例の倍以上の税額になってしまいます。

次に卸売業の場合は、簡易課税の業種区分で「みなし仕入率」が90%と高いので、
「2割特例」(みなし仕入率80%と同等)より簡易課税がトクになります。

ただ、どの業種でも、売上税額より仕入税額が大きいなら、本則課税がトクになります。
例えば、開業1年目の飲食店など、売り上げは小さいが、設備投資に大きなお金がかかった場合、消費税の還付(返金)を受けられます。

一方で、免税事業者がインボイスに対応した場合、事務作業はどれぐらい増えるのか。
経費の領収書を取っておくのは従来通りで、2割特例や簡易課税を選べば、経費については個別に消費税を計算する必要はありません。
問題は本則課税です。受け取った領収書から仕入税額を正確に出して、売上税額から差し引く必要があります。
仕入先がインボイス発行事業者か、領収書を見て1枚ずつ確認し、インボイス発行事業者ならば、番号が本物かチェックした上で、
仕入税額を計上することになりますがかなり煩雑になります。

企業や税務署の人もすごく大変ですし、実務的には現場で本当に回しきれるのか疑問もあります。
例えば、インボイス番号が本物かの確認は、大手企業はやるでしょうが、最初からチェックをしなかったり、
少額なら確認しないという会社も出るかもしれません。
あるいは「チェックはしていないけれど、間違いがあったら税務署で指摘してください」と言い出す企業もあるかもしれない。

韓国や台湾など、10年以上インボイスを運用している国は仕組みを工夫しています。
例えば、専用のインボイス用紙を政府が発行していて、登録事業者しか使えないようにして、
インボイス番号の真正性をいちいち確かめる作業を不要にしたり、
台湾は、政府負担でインボイスに宝くじをつけ、インボイスをもらったほうが宝くじがついていてトクだから、レシートを必ずもらおうとします。
これにより、事業者がインボイス(レシート)を出さずに売り上げを隠すといった不正を防いでいます。

免税事業者を残したままにするから複雑になり、インボイス形式とそうでない請求書が混在することになり、
現場の負担がぼう大になってしまいます。

免税事業者は、「益税」「ネコババ」だとか批判されるなど誤解も多く、レシートや請求書などに消費税が別項目になっていますが、
本質は、消費税込みの価格が、その商品やサービスの価格になります。
財務省は粗利の11分の1(約9.1%)を払うように言っているだけで、免税事業者の税率が0から9.1%に急増し、
事業者自身または取引先、消費者がじこれを負担することになります。
つまりこれは、純然たる増税、消費増税で、この事実があまり知られてなく、
今の日本経済が苦しい状況で誰しも増税は行うべきではないを思うはずですが、「益税」「ネコババ」が先行してしまっています。

経理担当者などの事務負担が大きくなることは火を見るよりも明らかで、それによる残業代の企業負担も増え、
個人事業主などインボイスを機に廃業してしまう人も多くいるでしょう。
そうなると、人件費や人材不足の影響で、いろんな商品やサービスの値上げが加速する可能性も高そうです。

そんな中で、始まる「インボイス制度」この先、日本はどうなってしまうんでかね。

北見尚之

「スレッズ」は今後どうなっていくのか?!

こんにちわ。北見尚之です。

イーロン・マスクがまた、マーク・ザッカーバーグと一戦交えるのではないかというのが話題になっているようです。

ことの発端は、ザッカーバーグがX(旧ツイッター)のライバルとなるSNSの「スレッズ」を立ち上げ、
それを知ったマスクが挑発ツイートを行ったことです。
ザッカーバーグ柔術にハマいて、マスクは格闘技で勝負しようと提案しところ、
ザッカーバーグも6月にそれに応じる返答をしたことで大きなニュースになりました。

その後動きはなかったのですが、今回またマスクが挑発を開始し、これを受けてザッカーバーグは、
「こちらから8月26日を提案したが、確認の返事はない」とスレッズに書き込み、
それでもマスクが本気ではないとして「もうこれで終わりにしよう」と投稿したところ、
マスクから「戦いは終わっていない」と再び投稿し堂々巡りが続いています。

これがX(旧ツイッター)とスレッズというライバルSNSの勝負の「代理決戦」ならば戦う必要なくなります。
なぜなら、現時点ではスレッズに勝ち目はなさそうだからです。

スレッズは7月5日に公開され、大手SNS企業が新しいSNSを立ち上げたことで大きな話題になり、
サービス開始から5日で1億ダウンロードを記録しました。

ところが、その熱狂はあっという間に鎮まりダウンロード数は1億5000万を超えたとの話もありますが、
10日ほどでエンゲージメント(ユーザーがスレッズを使う時間)が50%も低下し、
7月31日時点では1日の利用者数が82%も減少しているそうです。

この原因はシンプルに「スレッズ」でなければいけない理由が見えないことです。
X(旧ツイッター)を離れた人を惹きつけるにも、ここまで親しまれてきたタグのような機能もなく投稿検索もありません。

PCのブラウザで使えるようになったのもつい先日のことで、今後、さらにX(旧ツイッター)に寄せていくことになり、
ハッシュタグのような機能も提供するとの話ですがそれもまだ先になりそうです。
使用感もインスタグラムとあまり違いを感じずなぜスレッズなのかが分からない状況になっています。

実は 「〇〇でなければいけない」理由がないのは、メタが力を入れてきたメタバースにも当てはまります。
値上げしてさらに高価になったVRヘッドセット(4万7300円から)を装着して使用する必要があり、
例えばリモート会議を行うにもわざわざアバターを作って重いヘッドセットを使う必要があります。

あまり使う理由が見当たらないスレッズですが、スタートダッシュは衝撃的なもので、
スレッズのダウンロード数が公開後すぐに爆発的な伸びを見せた裏には、インドの影響がありました。

そもそもスレッズは、米メタが提供するインスタグラムと紐づけられており、
インスタグラムのアカウントを持っている人であれば新規登録の作業も必要なく、簡単にアカウントを作れてしまいます。
事実、スレッズのダウンロード数はインスタグラムのユーザーが圧倒的に多いです。

そしてインスタグラムの登録者数は、インドが圧倒的に多く、その数は2億3000万ほどで、2位は米国で1億4000万人となっています。
インド人はスレッズのユーザーの約32%、全ユーザーの3分の1を占めていて、そのインド人がこのアプリにハマらなかったことで、
利用時間も減り、登録者数も頭打ちになっていきました

X(旧ツイッター)は、マスクがさまざまな仕様を変えるなどして混乱を生んできたが、
実際はユーザー数を伸ばしていて、マスクは7月28日に投稿しX(旧ツイッター)のユーザー数が、
世界で過去最高の5億7000万人になったと明らかにしています。

しかもX(旧ツイッター)の国ごとのユーザー数を見ると、1位の米国、2位の日本に次いで、3位のインドには2700万人の利用者いて、
この数は、これからも増加していく気配があります。

その主な理由は、X(旧ツイッター)の収益化で、世界中で人気のアカウントを対象に、
X(旧ツイッター)から広告収益を分配するようになっています。
2月に事業を発表した際には開始時期が明らかになっていなかったものの、
8月に入り突如始まったことでインドで大きな注目を浴びています。

日本でも2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の管理人を務めていた、
ひろゆき」こと西村博之さんが約36万円の広告収益の振り込みがX側からあったと投稿し話題になりました。

そうなると、スレッズが新たな独自の注目機能でも発表しない限り、スレッズに勝ち目はなくなります。
だから、ザッカーバーグは格闘技で勝負したいが、マスクはどうでもよく返事をしなかったのかもしれませんね。

北見尚之

出来ないマネージャーとは?

こんにちわ。北見尚之です。

 

日本はマネジメント後進国とも言われています。
マネージャーのもっとも基本的なタスクは「判断すること」で、ビジネスには不測の事態や想定外の出来事はつきものですが、
そんなときも、マネージャーはなんらかの判断をくだす必要性に迫られます。

 

犯人探し的な、「なぜこんなことになった」「責任者は誰だ」などはマネージャーとして最悪のアプローチです。
まずやらなければならないことは、「なにがあったのか?(What・客観的な視点)」と「 どうすればいいのか?(How・次の行動)」です。
これは、「起きてしまったことは仕方がない」といったん失敗を許容する考え方でもありますが、
「なぜ起きた」や「誰が」は後回しにして、すぐに現状把握と次のアクションを考えるのが鉄則です。

 

しかし、日本では誰かのせいにしたがることが多く、それは「責任の範囲が明確になっていない」からです。
マネジメント先進国では、責任の範囲が最初からとても明確です。
責任範囲が明確だからこそ、メンバーは失敗を恐れることなく、
成功に少しでも近づけるためにどんどんトライしようと考えることができます。

 

その代わりに、なにかを達成したときの手柄も明確で、たとえ新入社員であってもオーナーシップがある仕事は、その人物が手柄を総取りします。
でも、日本企業ではみんなで手柄を共有するかのように振る舞いながら、結局はなにもしていない「管理職」が取ることが多くあります。

 

小さな失敗を許容することを習慣づけられれば、大きな失敗に発展する前に修正することができます。
また、小さな失敗をどんどんして多くの学びを得られれば、大きな変革にも繋がっていきます。

 

また、リソース配分を最適に配置することもマネージャーの重要なタスクになります。
そのためには、チームの一人ひとりの能力や適性を見極める必要があり、
だからこそマネージャーには、高度なヒアリング能力が問われることになります。

 

「モチベーションを上げていこう!」などで鼓舞をすることは、マネージャー業としては失格になります。
モチベーションというのは、他者が手を加えて上がるものではないからです。
上から命令したからといって、部下のモチベーションは上がりませんし、マネージャーの立場にいる人間は、この事実をまず理解すべきです。
たとえ結果的に上がったように見えても、「人のやる気というのは、人によっては変わらない」ことを前提に考えるべきです。

 

マネージャーがやらなければならないのは、士気が上がる環境を整え、チームの力を阻害するものを外していき、
メンバーが伸び伸び仕事ができる環境を整えることが重要な仕事となります。

 

ですが、日本の企業ではマネージャー自身がブロッカーになっているケースが実はとても多くあるそうです。
典型的なのは、部下に対して「数字を上げろ」「書類をつくれ」など、ただ命令や指示ばかりしているタイプで、
本質的には人に対して命令する権利などマネージャーにはありません。

 

デキるマネージャーは、指示や命令をしているように見えても、それはあくまでもリソースを最適に配置した上で、
いわば開始ボタンを押しているだけで、人を自由に動かす権利までは与えられていません。

 

なのになぜ、そのようになってしまうのかは、日本企業のマネージャーが現場で結果を出した人への名誉として、
マネージャーの肩書が与えられているケースが多いからです。
さらに、多くの企業では給与の階層が役職の昇降格と一致しているので、一定以上の給料を払うためには役職をつけることが必須になっているのです。

 

プレイヤーとしては優れていても、マネジメントの適性がない者がその役職につくと、チームが崩壊する危険性もあります。
しかし、当の本人は名プレイヤーだった成功体験があるので、部下やチームメンバーに対して「なんでできない」などと言い出しかねません。

 

では、出来る上司とは何なのか。それは「全体が見えているかどうか」です。
チームのいまの状態や向かう先といった全体像が見えていないから、細かいミスばかりが気になり、すぐに誰かを追及して保身に走ります。

 

さらに、最悪なのは部下と競争するマネージャーで、これは絶対にマネージャーになってはダメなタイプです。
部下の能力を認めなかったり、それに嫉妬したりするマネージャーは、確実にマネジメントに向いていません。

 

マネージャーになるとプレイヤーとして働くことができないので、プレイヤーとしての体験が抜けなければストレスが溜まります。
加えて、本人にマネージャーの資質がなければ、「昔の俺はな」的なことを言い出し、
過去の成功体験の中でしか生きられない人間には、それ以上の成功体験が増えず、早いうちに終わりがやってきます。

 

もちろん、マネージャーがプレイヤーの気持ちを理解することは必要だと思います。
プレイヤーがどうすれば快適なのかを考えるとき、もちろんプレイヤーだったころの経験を活かすことができるでしょう。
その意味ではプレイヤー気質を持つのはいいのが、それを言動で表したらいけません。
サポートのためにプレイヤーの一面を出すのはありですが、対立軸で出すのは最悪で、
マネージャーがチームメンバーと競争して成立するチームなんてなかなかありません。

 

マネジメントする立場の人間は、メンバーを下げて自分が上にいこうとしてはいけません。
どんどん上を目指すメンバーがいたら、マネージャーは労を惜しまずに必要なサポートはなんでもしてあげるようになればいいのだと思います。

 

北見尚之

大江戸温泉物語と湯快リゾートが合体。

こんにちわ。北見尚之です。

温浴施設などを運営する大江戸温泉物語湯快リゾートが、2024年春に経営統合する方針を発表しました。
大江戸温泉物語は東京都中央区で、湯快リゾート京都府京都市に拠点を置き、
東西でそれぞれ知名度が高い両社が合流という形になります。

実は、大江戸温泉物語湯快リゾートも、米ローンスターといういわゆる外資ファンドの傘下で、
企業価値を高めていく戦略の1つとして、スケールメリット企業価値をより向上していくという目的での統合のようです。

それぞれのブランドを残すかどうかは現在ではまだ協議中のようです。
統合にともなう売上など数値目標は公表していないが、両社が目指すのは業務効率化や人手不足の解消、
また、回復傾向にある訪日客の需要の取り込みです。

関係者は業務効率化や人手不足の解消について、正直、明確な打ち手は難しいところがあり、
小さい努力を重ねていく必要があるとし、それぞれの会社が持つノウハウを共有することで新たなやり方が見つけ、
配置転換をさせることでノウハウを落とし込むなど、さまざまな打ち手を見つけていきたいと話しています。

また、訪日客の需要については統合にかかわらず、すでに大江戸温泉物語単体でも重視していて、
すでに「海外OTA」と言われる予約サイトに開放し、団体のみならず個人でも気軽に予約できるようにするなど、
訪日客需要の取り組みは積極的に進めています。

2022年に外資ファンドのローンスター大江戸温泉物語を買収し、2023年1月にローンスター湯快リゾートに出資しました。
それ以降のシナジー効果について、両社の経営幹部が集まって議論をしてきており、
「今後日本の温泉ホテル業界のリーディングカンパニーを目指す」とコメントしています。

話しは、変わりますが「大江戸温泉物語」とうと「東京お台場」を連想する人も少なくないのではないでしょうか。
「東京お台場 大江戸温泉物語」は、惜しくも2021年9年5日の営業をもって閉館となってしまいました。

この「お台場」の頭になぜ「お」が付くのか。
ずっと「お台場」と呼ばれ親しまれた地であるものの、不思議に思う人がそこまで多くなかったでしょう。

実は、江戸幕府に関係のあった場所は「御」の字が頭に付いて呼ばれているとみられることを発見され、
Twitter上で話題になり、多くの反響が寄せられました。

お台場は、江戸時代末期、ペリー来航をきっかけに、外国船の襲来を脅威に感じるようになった徳川幕府が、
江戸を守るために築いた砲台を「台場」と呼ぶようになったのが始まりで、
幕府直轄の地や由来のものには「御」を付けて呼ぶ習慣があったことから、
「台場」の頭に「お」を付けて「お台場」と呼ぶようになったのが有力な説なようです。

今回の経営統合は、外資ファンドが絡んでいるとなると一見、海外投資家の利益重視の統合にしか見えない部分もありますが、
温泉ホテル業界の名の知れた2社が統合することによって新しいサービスなども期待出来るかもしれませんね。

北見尚之

セルフレジ導入で利用者だけでなく店員からも不満が、、、

こんにちわ。北見尚之です。

新型コロナウイルスが世界的に蔓延した2020年3月以降、人手不足の解消や業務の省力化なども相まって、
全国の飲食店やスーパー、コンビニ、公共施設では「非対面・非接触」を推進する動きが急速に広がっていきました。
そのひとつが「セルフレジ」の導入です。

利便性の向上や事業者の経費削減に一定の成果を上げているものの、
商品のバーコード読み取りから会計操作までを客自身が行なうため、
慣れない中高年層を中心に戸惑いの声は多いです。

ただ、戸惑っているのは来店客ばかりではなく、街中のスーパーや飲食店では、
ルフレジでの精算を巡るトラブルに店員側も苦慮しているという現実があり、
利用者や従業員からの評判は必ずしも良いとは限りません。

とあるスーパーではここ2年で急速に導入が進み、レジ打ちのパートの大半が“配置換え”されました。
商品の品出しや陳列、食品加工など、いわゆるバックヤード業務に回され、毎月の賃金が下がった人も少なくありません。
一方で、レジのサポートとして残った人材も、日々のセルフレジの操作補助で、相当ストレスが溜まることも。

コロナの感染拡大防止(非接触・非対面)を契機に加速した「セルフレジ」の導入ですが、
今では当たり前の光景となったが、セルフレジでの精算に苦戦する客は少なくなく、
不慣れな機械の操作にまごつき、苛立ちを店員に向ける客もいます。

商品バーコードの読み取りから精算まで、すべてお客様が行なう「フルセルフレジ」を採用していても、
「バーコードが読み込めない」や「教えるヒマがあるなら、あなたがやって」と言ってくる方も少なくないようです。
1人に対応すると、それを見ていたお客様が次から次に「こっちもやって」となってしまい、
有人レジより余計な手間が増えることもあるとか。

また、メーカーによって異なるセルフレジの操作も、混乱に拍車をかける要因で、
同じ商品を複数購入した際、操作によって一度で精算できるレジもあれば、
ひとつずつバーコードを読み取らなければならないレジもあります。
こういった点が利用客にも大きなストレスにも繋がっています。

一方で、セルフレジを悪用した「万引き」も増加傾向にあるといい、
バーコードの読み取りミスなどから、誤って精算前の商品を持ち出してしまったというケースが増えています。
都内では、「お前ら、俺をドロボー呼ばわりするのか! ふざけるな!」と声を荒らげる初老の男性と困惑する店員という場面もあったようです。

店側も、マニュアルで定めた特に不審なケースではお客様に声掛けしますが、
うっかりの場合もあるので、判断がとても難しく、場合によっては「あらぬ疑いをかけられた」と
お客が怒り出すなどしてトラブルになりやすく、悩ましい問題でもあります。
このように精算を巡るトラブルは、有人レジ時代に比べて圧倒的に増えているようです。

ルフレジは、基本的に値札のバーコードを読み込むポスレジ方式で、バーコードを正確に読み取れば問題ないですが、
不慣れな利用者には難しい時もあり、補助や不正防止のために複数名の店員をレジ付近に配置していても、すべてに対応できていないのが現状です。
誤って、レジを通過していない商品を持ち出してしまったお客様に声掛けする際、このようなトラブルに発展することがあります。

和歌山市のスーパーで、商品に「半額シール」を不正に貼り付け、セルフレジで精算した男性が電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されたことが話題になりました。
そうしたセルフレジを悪用しようとする行為を監視しながら、単なるうっかりではないか?を気遣うことへの負担は決して小さくないでしょう。

かつての不正は手持ちのエコバッグや衣服に商品を隠す、あるいはレジで一部商品だけ精算し、カートの下に隠した商品を未払いのまま持ち帰る「カゴ抜け」の手法が主流でした。
それに比べ、セルフレジでの不正を発見するのは難しく、レジに防犯カメラが設置されていても「うっかり精算できなかった」と言われればそれまでになってしまいます。

高齢者を中心に利用者からも不満の声が出ていて、

「セルフレジでもたついていると、後ろに並ぶ客の視線がつらい」(70代女性)
「会計だけでなく、駐車券の発行などセルフレジでは対応できないことが多く、結局、店員を呼ぶことになる」(60代男性)

などや、どの店でも私が操作していると店員が駆け寄ってきて恐らく、「レジの使い方が分からない爺さん」「精算ミスをする」と思われていると感じ、
これが不愉快でたまらないや、初見の店で、勝手が違うセルフレジの操作にまごつき、「後ろの若い客から舌打ちされた」などで、
その店に行かなくなってしまい、気軽に買い物が出来なくなるなどの障害もあるようです。

昨今では、スーパーやコンビニ以外でも、あらゆる場面で「セルフ化」が当たり前となってきており、空港でも有人カウンターで搭乗手続きをし手荷物を預ける従来のやり方が一変し、
ほぼすべてが自動化され、チェックインから荷物の預け入れもセルフになっていてやり方が分からない高齢の方も多く長蛇の列になってしまうことも。

セルフ化と同時進行する「キャッシュレス化」について、喫茶店でメニューにQRコードがあり、先ずはそれを読み取ってオーダーに悪戦苦闘したものの注文できなく、
店員を呼んでも、やり方を説明するだけで、口頭でのオーダーは頑なに応じてもらえないというケースもあったようです。

人員削減等のニーズから、今後もセルフレジの需要は拡大する中で、店舗と利用者の間で、思わぬ行き違いが生じることも多々あり、
スーパーやコンビニなどでバーコードのない「3割引」「半額」シールだけが商品に添付されていた場合、セルフレジのバーコードと対応していないこともあります。
精算時のトラブル防止のため、セルフレジでは必ずレシート・領収証を受け取って、間違いがないかチェックするということを必要かもしれません。

いまや日本国内でも、大手衣類量販店のように「かごを読み取り機に置くだけで精算」できるシステムもあり、企業の利便性追求への道は続くのでしょうが、
消費者にも店員にも優しいシステムや運用のあり方を検討していくことも重要になります。

この先、ますます進むであろう「非対面・非接触」「キャッシュレス」化に向けた課題はまだまだ多そうですね。

北見尚之

部下が成果を出しやすくするための「適材適所」とは?

こんにちわ。北見尚之です。

リモートワークが普及した現在では、頑張っているのに成果が出ない部下の教育で悩んでいるマネージャーが増えているようです。
本来、部下の成果が出ないのはマネージャーの責任で、成果を出しやすくするための最大の秘訣は「成果が出やすい適材適所」を実現することです。

その適材適所とは何なのか?
「Can(スキル・経験・知識)」と、「Must(会社からの期待値)」のマッチが分かりやすく挙げられますが、
昨今ではそれに加え「Want(個人が何をしたいのか)」や、それらを自発的に前に進める環境作りの重要性が認識されるようになりました。

モチベーションには「外的動機付け」と呼ばれるものと「内的動機付け」と呼ばれるものがあります。
分かりやすく例えると、前者は「お金」、後者は「意義」や「やりがい」といったものです。
CanとMustの等価交換は「外的動機付け」に近く、Wantが重なる部分が「内的動機付け」に近くなります。

技術の進歩に伴い、単純労働は機械学習やロボティックスが代替するようになりました。
人間はそれ以外の「創造性」などの付加価値を求められるようになっています。
単純労働と「外的動機付け」は相性が良い一方で、創造性を求める仕事においては「内的動機付け」が必要で、
ときには「外的動機付け」が創造性を阻害するという研究結果すら出ています。

今の仕事には意味があると感じて、共感してもらうことが重要になってきます。
昨今は、求人を出す際に「なぜ仕事をやるのか」や、企業のミッションなどを打ち出して共感を得る仕組みを作る企業が増えています。
では、「共感があれば高いパフォーマンスを出し続けられるのか」というとそういうわけではありません。
どんなに共感している人だったとしても、3年も4年も毎日同じことをしていると飽きてしまいます。
そこで、共感と同じぐらい大事になってくるのが「最適挑戦」です。

「最適挑戦」は、難しすぎず、簡単すぎないタスクや役割を与えることですが、人間がタスクをこなす上で没頭するには条件があります。
それが、「難しすぎず、簡単すぎない」タスクであるということです。
難しすぎると負担になりすぎて不安になる、一方で簡単すぎると飽きてしまいます。
適切な挑戦ゾーンで、チャレンジングなタスクをこなすことで、毎年できることが増え成長している実感を得ることができます。

この「最適なタスク」の割り振りですが、言うのは簡単ですが大変難易度が高いです。
レベルが高い人材になってくると、「セルフマネジメント」ができて、
自分でタスクを設定して、自分で自分の限界に挑戦しながら成長することができますが、そんな人はまれです。
ほとんどの人は、自分は何ができて、何ができないか、どんなタスクなら成果が出そうで、何なら出なさそうか分かりません。
そこを助けるのがマネジャーや人事の役割になります。

例えばレンガ職人で例えると、「もうレンガは完璧に積める」状態になったときに、「レンガ職人を3人束ねて壁を作る工程を管理する」タスクや、
「壁の形を設計する」タスクなどに興味が出るかもしれません。
そういったやりたいことがあるものの中で「ギリギリ成果が出そう」なものを選んで渡していくことによって、
レンガを積むだけの存在から、より次世代のデザインの建築物を創れるチームになっていく可能性があります。

最適挑戦とは、「少し挑戦的な組織・役割・タスク」のマッチングになり、
社内での移動であれば「異動」、社外への移動であれば「転職」になります。

最後に重要になってくるのが「自律」です。これは、厳密にいうと「自律的に動くルールや仕組み作り」といえます。
カーレースに例えると、共感と最適挑戦がエンジン、成果がゴールだとすると、自律はコースに例えられます。
人間誰しも自由は大事ですが、何もない状態で「なんでもしていい」と言われても困ります。
自由に自分の意志をもって動くには、なにかしら動く上でのコースがあった方が素早くゴールにたどり着けます。

コースを形作るのに必要なのが「行動規範」や「マネジメントシステム」で、それが定着していくと「カルチャー」といえるかもしれません。
日本には400万社の企業が存在し、それぞれが理想とする行動規範があり、それは取り扱っている商材にも大きく関係しています。
例えば、ビルを建設する企業は、ソフトウェアを開発する企業と比べて、構造的に人身事故が起きやすいといえます。
となると、建設会社は「秩序 > 変化」となり、ソフトウェア会社は「変化 > 秩序」となります。
もちろん、「秩序 > 変化」というソフトウェア会社もあるとは思いますが、何を企業にとって理想とするか、という憲法が企業ごとに違ってきます。

そういった憲法が、従業員に「提示」され「浸透」していると、メンバーそれぞれが自分で判断ができるようになります。
そうなることで、マネジャーが逐一判断をくださなくもよくなり、リモート環境で相手の姿が見えなくても成果が上がりやすい組織になります。

行動規範を浸透させるのは、簡単ではなく、一番効果があるのは評価基準に入れることですが、それも容易ではないケースもあります。
しかし、そういった「緊急性は低いが重要性が高い」タスクに取り組まないと、ずっとその場しのぎで走り続ける組織になってしまいます。

また、マネジメントシステムとは、「誰もがあたりまえのように徹底をして成果をあげられる」ようにするような仕組みのことです。
一般的に仕事とは「目標設定」→「進捗管理」→「評価」のサイクルで成り立っていますが、
この各ステップが徹底されていないと、成果を出す上での障害になります。
そこで、各ステップが徹底されるような仕組み化が重要で、マネージャーと部下が一緒になって目標を設定し、
細目に進捗管理をし、最後は一緒に評価をするといったプロセスです。

この「共感」、「最適挑戦」、そして「自律」どれも理想的ではある一方で、実現させそれを維持させたりするのは容易ではありません。
ただ、常に頭の片隅に入れておき、マネージャーもチャレンジすることが重要だと思います。

北見尚之

スマホに「1TB」のストレージは必要なのか?!

こんにちわ。北見尚之です。

スマートフォンの高性能化やコンテンツの高画質化、また多様化などに伴い、最近では大容量ストレージ「1TB」というワードを目にする機会が増えてきています。

そもそも1TBはどれくらいの容量なのかというと、1TBは約1000GBで、目安としては1枚1MBのドキュメントファイルが約100万枚、
フルHD解像度の動画ファイルが約166時間、1枚4MBのJPEGファイルが約25万枚、1曲5MBのMP3ファイルが約20万曲入ることになります。

1TBは最近では主流の128GBのスマホ8台分に相当になり、こうした大容量のファイルを機種変更する際にはかなり面倒になります。
1ファイルあたりの容量がそれほど大きくなくても、膨大な数になるほど、その分だけの移行時間がかかり、
その膨大なデータが破損した際、復旧できるかどうか分からないし、仮にできたとしても時間と手間がかかるはずです。

1TBの容量を持つスマホはもちろん高価になり、現状ではどの機種も20万円超えます。
キャリアでは端末購入補助プログラムやキャッシュバックキャンペーンなどを適用することで、実質半額程度に抑えられますがそれでも高額です。

また、保存しておきたいファイルをGoogleドライブやOneDriveなどのクラウドストレージへアップロードすれば、
いわゆるローカルストレージを増やさずに済むので、1TBのスマホも不要となります。
ただし、クラウドストレージサービスは継続利用する際に月額料金を払い続ける必要がある場合もあります。

クラウドストレージの他にも外部メモリやSSDの活用すれば、それほど大容量を必要とせず、クラウドmicroSDなどを活用し、
大容量スマホに投資したくないと思うなら1TBもの大容量スマホは間違いなくいらなくなります。

では、どんな人なら1TBのスマホが必要、あるいは買って満足できるのかとなると、まずは、スマホのデータを毎回、過去の機種を含めて移行している人です。
機種変更でデータを移行する度に過去のデータが蓄積され、256GBのスマホを使っていた人が容量いっぱいのデータを同じ256GBのスマホに移すと、
それだけでストレージがいっぱいになります。
その際、移行するデータを選んだり、不要なデータを削除したりするのが面倒な人なら、1TBのスマホを選ぶメリットはあります。

ネットワークに左右されず、スマホからすぐにファイルへアクセスしたい人にとっても大容量スマホは向きます。
クラウドストレージへのアクセスはネットワーク環境が必須となるので、何らかの理由で安定したネットワーク環境を確保できなければ、
クラウドストレージへのアップはあまり意味をなさなくなります。

また、頻繁な抜き差しによる接触不良を起こし、変換アダプターやmicroSDなどが使えなくなるケースや、紛失する可能性も十分にあり得るため、
それを避けたい人にとっても、1TBのスマホが向くでしょう。

ストリーミングサービスで配信されていない楽曲や動画など、数多くのデータをローカルに保存し、常に視聴できるようにしておきたい、
という人にとっても大容量ストレージは適しています。

現在、64GBのストレージ容量では正直、使うにあたって工夫が必要だと感じるときがあります。
64GBのストレージのスマートフォンでも「操作に支障が出るほど厳しい」というわけではないが、使い方に工夫が必要になります。
工夫をしたところで、今は何とかなっても、数年後にはアプリの容量そのものが増えて64GBでは厳しくなってくるでしょう。

容量不足となる背景としては、写真や動画の画質向上、アプリコンテンツのリッチ化が挙げられます。
アップデートが続くゲームアプリやクロスプラットフォームの超大作なら、アプリ1本で20GBなんてコンテンツも多く出てくるはずです。

SNSアプリでも多機能化、ポータル化が進んでいて利用していけばキャッシュなどもたまって、
知らないうちに4~5GBクラスの容量となるのも数年後では当たり前になります。

スマートフォンのストレージ容量は、自分が思っているものよりもワンランク上あたりを選んでおく方が長く安心して使える。
スマートフォンを快適に、安心して使える最低ラインが現在では128GBの容量になります。

それらを踏まえると、1TBのスマホは大量のデータをローカル保存できる反面、それに比例するように高価すぎます。
一方で使い方や考え方、先々を見据えると大容量スマホが必要になる、あるいは買って満足するケースもあるはずです。
結論は自分がどういったデータをどのように扱うのか確認し、お財布に余裕があれば1TBスマホを検討してもいいかもしれません。

北見尚之