リモートワークにおける勤怠管理の重要性

こんにちわ。北見尚之です。

昨今、働き方が大きく変わる中で企業もまた、かつて常態化していたハードワークを見直すべき段階にきています。
リモートワークとオフィスワークが、混在するハイブリッドワークが推奨される今、
顔が見えない従業員の勤怠管理をどのようにすれば「健全に」保てるのでしょうか。 

かつては、会社の命令に従い、身を粉にして働くビジネスパーソンを兵隊に例えた「企業戦士」という言葉があります。
今聞くと非常識な話だが、バブル期まではそれが常識であり、実際に「24時間、戦えますか」というCMコピーが流行になるほど、
限界まで働くことが美徳とされていた時代が確かにありました。

それから30年以上が経過し、日本の労働観は大きく変わりました。
19年4月には、いわゆる「働き方改革」の労働基準法雇用対策法を始めとする労働法の是正が行われ、
その約1年後に、新型コロナウイルスにより働く場所が変わり、同時にワークライフバランスの見直しが重視されるようになってきました。

時代が変わるときには新たな課題がつきもので、多くの企業が頭を悩ませているのが「勤怠管理」です。
新しい働き方としては、オフィスのほか、自宅、またはカフェなど仕事に合わせて効率化を図れる場所を自ら選び働く「ハイブリッドワーク」が推奨されています。
しかし、リモートワーク中の従業員の勤怠管理は難しく、コロナ禍に突入した約2年前は、上司が部下の状況把握に過敏になり、
監視するような言動をとる「リモハラ」が問題視されたが、逆に働きすぎてしまう長時間労働化も実態としてはあるようです。

例えば、土日祝日が休みの会社で頻繁に月曜日に遅刻をする、急な休みを申請する従業員がいたとすると、
これは一見、休み明けのゆるみや、休日をつなげて休暇を取得すると、ある意味ノーマルな状況に見えます。
しかし、実は平日の時間外労働が常態化しており、メンタルに不調をきたしている従業員であったという例もあるそうです。

逆に、リモートワークという環境を悪用し「仕事をサボる」従業員も発生しないとは限らないですが、
どちらにせよ、リモハラと受け取られるような形で監視下におくのは、指導に効果的とはいえないでしょう。
そこであらためて考えなければいけないのが、新しい就業管理の体制構築や意識改革になります。

体制を構築する上で最も重要なのは、リモートワーク下における健全な勤怠管理で、
19年の労基法改正により、「月の残業時間は45時間まで」「超過できるのは年6回まで」と長時間労働が法律で縛られました。
しかし、リモートワーク中は遠慮なく仕事をしてしまう人が一定数出てきてしまいます。
これはメンタル不調のほか、上限規制を超える従業員が続出することによる内部統制のゆるみにもつながりかねません。

残業時間の管理や打刻といった事務的な作業は、仕事で結果を出しているのだから、多少ファジーでもいいだろうなどと軽んじられがちにもなります。
規定残業時間を超えるほど業務に没頭するような、仕事熱心な人材は企業にとって頼もしい限りですが、従業員はあくまでも機械ではなく、
替えが利くと言わんばかりに無理をさせて、働くヒトを大切にできない企業が成長し続けられる時代はこの先ありません。

働き方改革関連法を筆頭に、さまざまな立場の従業員が、より働きやすくなるような法改正は今後も継続して出てくることが予想されますが、
そのような世の中にあって、柔軟な働き方に対応していくことが必要で、そこには従業員も会社もいい方向に導ける勤怠管理の仕方が重要かもしれませんね。

北見尚之